●マウスピースって?(スプリント療法)
マウスピースというと、ボクサーがするようなものを想像される方が多いかもしれません。しかし、実際はもっと小さなもので、正しくはスプリントといいます。(写真)
スプリントはその使用により、噛みあわせを高くし、顎や周囲の安静をはかることができます。その後進める治療のファーストステップ的な役割を担うものともいえます。
スプリントは主に夜間寝ているときに使用し、昼間や食事の時にははずします。顎関節症はスプリント療法により、ほとんどの患者さんに症状の改善がみられるといわれていますが、なかには全く効かない場合もあります。
顎関節治療用スプリント
治療の第一段階で用いられる、一般的なスプリント。主に夜間使用していただきます。消炎鎮痛剤などの薬物療法を併用する場合もあります。
当院では、顎関節症の治療でかみ合わせをなおすために、すぐに歯を削ることはしません。削った歯はもとにはもどらず、かみ合わせも元の状態に戻せなくなるからです。その点、スプリントは取り外しができ、かみ合わせの調整も楽に行え、使用の中止も簡単に出来ます。スプリント療法の最大の利点といってもいいでしょう。また、スプリント療法によって顎の組織の安静をはかることにより、かみ合わせの改善がみられる場合もあります。
●顎関節症の治療を受けた際の、スプリントの費用、検査費用は?
通常の検査費用、スプリントの費用は健康保険の適用となりますので、負担分は8000円ほどになると思います。
上記はあくまで目安ですので、お口の中の状況により、多少前後しますので御了承下さい。
顎関節症の診断、治療には専門的な知識が必要です。顎の痛みや違和感、口が開きづらいといった症状でお悩みの方は、お気軽に御相談下さい。
※レントゲン写真
関節円板はレントゲン写真では確認ができません。レントゲン写真は骨の変形を診るために撮影します。写真の患者さんは骨には異常がないようです。
※MRI検査画像
レントゲン検査では確認できなかった関節円板をMRIにより確認することができます。撮影は大学病院に依頼しています。
睡眠時無呼吸症候群-http://www.kaimin-life.jp/
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に断続的に無呼吸をくり返し、その結果日中の眠気などの種々の症状を呈する疾患です。睡眠時無呼吸症について、説明します。
●症状としては、次のようなものがあります。
大きないびき
日中の眠気(いくら寝ても、寝たりない感じがすることもあります、成人で8時間睡眠が必要なひとはチェックが必要です。)
睡眠中の多動(手足を激しく動かしたり、激しい寝返り、突然起き上がったりする)
夜間多尿、夜尿症
早朝の頭痛(睡眠中十分な呼吸ができないため、酸素不足のため頭が重い感じがする。)
性格変化(苛立ち、抑うつ気分、意欲低下、焦燥感)
不眠
夜間の窒息感
その他(逆流性食道炎、インポテンツ、発汗)
●主な症候としては、次のようなものがあります。
肥満
多血症
高血圧
不整脈
肺高血圧、右心不全
発育、成長障害
●治療法としては、次のようなものがあります。
経鼻式持続陽圧呼吸(ncpap):器械により鼻から空気を送り込む装置、医科で使われる
口腔内装具、オーラルアプライアンス、マウスピース,(スリープスプリント);歯科で製作される
肥満に対する減量
禁酒
睡眠薬の中止、変更
横向きに寝る
基礎疾患の治療
薬物療法
酸素療法
外科手術
睡眠時無呼吸症候群の自己診断チェックリスト (成人用)
□ 「睡眠中に大きないびきをかいて,時々呼吸が止まっている」と指摘されたことがある
この項目をチェックされたかたは,睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります
□ 毎晩,大きないびきをかく
□ 夜間,何回か目をさます
□ 昼間,いつも眠たい
□ 居眠りをしてはいけない場面で居眠りをしそうになることがある
□ 朝,目覚めたときに熟睡した感じがしない
□ 朝,目覚めたときに頭が痛い
□ 肥満の傾向がある
□ あごが小さくて後方にひっこんでいる
□ 血圧が高い
□ 最近,集中力が落ちてきたと思う
以上の10項目のうち3つ以上あてはまったかたは,睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります
Epworthの昼間の眠気の評価
状 況 点 数
1,座って読書しているとき 0 1 2 3
2,テレビを見ているとき 0 1 2 3
3,公の場所で座って何もしないとき(たとえば劇場や会議) 0 1 2 3
4,1時間以上続けて車に乗せてもらっているとき 0 1 2 3
5,状況が許せば,午後横になって休息するとき 0 1 2 3
6,座って誰かと話をしているとき 0 1 2 3
7,昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき 0 1 2 3
8,車中で,交通渋滞で2~3分止まっているとき 0 1 2 3
0:決して眠くならない,1:稀に(ときに)眠くなる,2:1と3の中間,3:眠くなることが多い
(合計点) 正常:10点以下,軽症:11~12点,中等症:13~15点,重症:16点以上
●スリープスプリントの効果のある人
テスト法;仰向けに寝た状態で軽く口を閉じ鼻で息をしてみます。つぎにその状態から下顎を2、3ミリ突き出してみて呼吸が楽になるようでしたら、スリープスプリントの効果があります。
仰向けになると、舌と下顎が重力に引かれます。眠りが深くなり舌を支える舌筋が弛緩すると、舌根部と口蓋垂が気道を塞ぎ無呼吸を引き起こし、その結果睡眠が中断され、目をさまします。目をさますと舌筋が緊張し舌が上方に移動し気道が広がり呼吸が普通になり、また睡眠に入ります。このサイクルを何回もくり返し、深く長く眠れない状態が起きます。従って、いくら寝ても、足りない感じが残ります。歯並びの異常から、舌、顎回りの筋肉に疲労が蓄積して、こういう現象を引き起こす場合もあります。
経鼻式持続陽圧呼吸装置に比べ小型で装着が簡単なため旅行、出張の多い人、髪の毛の乱れを気にする人に適していると思われます。機械の音が気になることもありません。
自発呼吸なので、自然な呼吸ができます。無音で、髪の毛の乱れもありません。
製作は歯型を採取して、5~7日後、装着となります。一人づつのハンドメイドのため製作に時間がかかります。髪の毛一本が入っても気になる、繊細な口腔内に入れますので、装着後数回、調整の必要がある場合があります。マウスピースの種類は3種類ありますが、現在お勧めなのが、上下が別々でバンドでつながったタイプです。ドイツ製です。上下のマウスピースを固定していないので、左右に寝返りをしても顎関節に無理がかからない設計です。
2004.4より保険請求ができるようになりましたが、保険請求するためには、医師の紹介状か依頼状が必要です。中枢性の睡眠時無呼吸症の人(無呼吸症候群の10パーセント)は歯科装具は効果がありませんので、ポリソノグラフという睡眠中の無呼吸を検査する設備のある病院で検査をされたのち歯科装具を作られることをお勧めします。
重症の無呼吸症候群の方の第一選択は経鼻式持続陽圧呼吸装置となっています。旅行、出張の多い人、お子さんや、配偶者の人と一緒にお休みの人には音のしないこのマウスピースがおすすめです。
スポーツマウスガード -https://www.jda.or.jp/tv/75.html
マウスガードとは、口の中の保護装置で、直接的外力から歯を守り、その周辺部の裂傷を防止します。
さらに顎関節の保護と骨折を予防し、脳への衝撃を和らげます。
●その効果は?
一流のスポーツ選手ほど歯の状態にも敏感です。歯が身体のバランス感覚に影響し、さらに瞬発力や集中力にも影響するからです。 カール・ルイスは瞬発力をさらに強化するために、すでに一流であった27歳の頃に、歯の矯正を始めています。ボクシングの選手が使用しているマウスピース、これは口内のケガの防止や、脳への衝撃を和らげるほかに、適切な噛み合わせで、選手の力を十分に発揮させる手助けになっているのです。人によっては、噛みしめる力が運動能力を高めています。
正しいマウスガードの使用は、バランス感覚の向上、筋力の向上(個人差があります)が見られるという研究データもあります。 さらに目に見えない大きな効果として、心理的効果があげられます。マウスガードを装着することによる安心感から、プレーに集中でき、より積極的なプレーが出来るようになります。ファインプレーにも結びつきます。
●どんなスポーツにいいの?
あらゆるスポーツに効果が期待できます。特に、動きが早くコンタクト(接触)の多いスポーツでは、口内やその周辺部のケガ、脳への衝撃への予防効果が特に高いといえます。 スポーツ先進国アメリカの歯科医師会の報告によると、合衆国内で行われるスポーツの試合中にマウスガードを装着することで、年間20万件以上の口腔領域のスポーツ外傷を防いでいるとしています。最近日本でも、予防効果が高いという同様な学会報告がみられます。
マウスガード装着が、すでに義務化されているスポーツもありますが、最近様々なスポーツで利用価値が認識され、マウスガードの義務化、推奨を行うスポーツ団体が増えてきています。
○使用が義務化されているスポーツ
ボクシング、キックボクシング、
アメリカンフットボール
○一部義務化されているスポーツ
空手、アイスホッケー、
ラクロス、ラグビー
○その他
サッカー、野球、柔道、バトミントン、
バスケットボール、バレーボール、
スキー、テニス、ハンドボール、
相撲、水球、重量挙げ、射撃
などに使用されています。
●マウスガードはオーダーメイドで!
マウスガードの充分な効果を得るためには、歯科医院で正確に型を取って作ることが不可欠です。
市販のマウスガードは適合性が悪く、不快感を伴って、かえってプレーに集中できません。顎関節を痛めるなど危険な場合もあります。歯科医院で型を取って精密に作るものが安全です。
選手一人一人の歯型をとって、やわらかい樹脂で各選手に合ったマウスガードを作りますので、 適応性が高く、不快感がありません。 また、それぞれのスポーツに合ったマウスガードを作ることもできます。 あなたの口にぴったり合ったマウスガードは、 ナイスプレーや高記録を引き出してくれます。
さあ、おもいっきりスポーツを楽しみましょう!
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